記事一覧
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小説
宵闇の魔法使いと薄明の王女 6−1
六章;黄昏の王 +++ 「ほぉー……」「すげぇっ!すげぇぞサツキー!王宮ってこんなとこなのかー!」 「くぉらお前らっ!静かにせいっ」 その白く眩い城壁を見上げながら騒いでいる子どもを一喝するラバードの声が高らかに響いた。「騒がしいのはジル... -
ブログ
章を作っていて感じたこと
こんにちは、ねこまりこです。むすび書店へ遊びに来てくださりありがとうございます。 久しぶりの雑談記事となります。 タイトルにも書きましたが、“宵闇の魔法使いと薄明の王女”を細かく章に分けました。 というのもとんだ勘違いをしていたことに... -
小説
宵闇の魔法使いと薄明の王女 5−3
重々しい音を立てて大きな扉が開き、二人が礼拝堂の中へ入ると少しかび臭い匂いが鼻をついた。「教会って古臭い匂いがするんだな」 ジルファリアが物珍しそうに室内をきょろきょろと見回している。 向かって左右の壁面全体に張り巡らされた色とりどり... -
小説
宵闇の魔法使いと薄明の王女 5−2
「おいサツキ、ここって……」 ジルファリアはそのファサード__正面壁を見上げた。 サツキの後をついて走り続けた先は、中央広場だった。そしてジルファリアの目の前には青いとんがり屋根の大きな教会がそびえ立っている。 教会が面している中央広場... -
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宵闇の魔法使いと薄明の王女 5−1
五章;響き渡る少女のanthem +++ 「え!オレたちが……」「王宮に?」 マリスディア救出の日から数日経ったある日の事だった。 サツキを伴ったラバードが朝早くにジルファリアの家を訪れ、そこで王宮から招待された事を告げたのだ。 驚いたのは二人... -
小説
宵闇の魔法使いと薄明の王女 4−10
「行ってもうたな、お姫さん」 がらんとした洗濯屋の店内で、サツキが呟く。 あれからすぐにラバードは「久しぶりに大暴れしたらなんか腹減ったわ。今日の武勇伝をおかみさんに披露してくるかぁ」とご機嫌で飲み屋へ行ってしまったので、店内にはジ... -
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宵闇の魔法使いと薄明の王女 4−9
散策した貴族街の風景を思い浮かべていたジルファリアはふと気になっていたことを口にした。「そういえばさ、マリア。お前はどうしてバスター家の屋敷にいたんだ?お前の家は王宮なんだろ?」 ぴくりとラバードが反応するが、きっと詮索している事に対... -
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宵闇の魔法使いと薄明の王女 4−8
「それにしても、まさかオレにも魔法が使えたなんてなー」 時計塔から職人街の表通りへ向かう道すがら、ジルファリアは思い出したように感嘆のため息を吐いた。その様子はとても嬉しそうな表情で、今にも飛び上がらんばかりの勢いだ。「おれはそれ、見... -
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宵闇の魔法使いと薄明の王女 4−7
「何でおやじがここにいるんや?」 目覚めて開口一番にサツキがそう叫ぶ。 黒頭巾を縛り上げた後、ラバードにしては機敏な動きでマリスディアとジルファリアに即席の傷薬を渡し、失神していたサツキには気付け薬を飲ませたのである。それが苦かったの... -
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宵闇の魔法使いと薄明の王女 4−6
黒い霧を纏った“それ”は、果たして人間だったのだろうか。 視界に入った印象は、“朽ちた枯れ木“であった。 黒いローブを身に纏い、異様に背が高く折れてしまいそうなくらい痩せている。頭からは同色の頭巾を被っていたため、顔が見えず不気味であった...