2024年3月– date –
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小説
宵闇の魔法使いと薄明の王女 5−3
重々しい音を立てて大きな扉が開き、二人が礼拝堂の中へ入ると少しかび臭い匂いが鼻をついた。「教会って古臭い匂いがするんだな」 ジルファリアが物珍しそうに室内をきょろきょろと見回している。 向かって左右の壁面全体に張り巡らされた色とりどり... -
小説
宵闇の魔法使いと薄明の王女 5−2
「おいサツキ、ここって……」 ジルファリアはそのファサード__正面壁を見上げた。 サツキの後をついて走り続けた先は、中央広場だった。そしてジルファリアの目の前には青いとんがり屋根の大きな教会がそびえ立っている。 教会が面している中央広場... -
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宵闇の魔法使いと薄明の王女 5−1
五章;響き渡る少女のanthem +++ 「え!オレたちが……」「王宮に?」 マリスディア救出の日から数日経ったある日の事だった。 サツキを伴ったラバードが朝早くにジルファリアの家を訪れ、そこで王宮から招待された事を告げたのだ。 驚いたのは二人... -
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宵闇の魔法使いと薄明の王女 4−10
「行ってもうたな、お姫さん」 がらんとした洗濯屋の店内で、サツキが呟く。 あれからすぐにラバードは「久しぶりに大暴れしたらなんか腹減ったわ。今日の武勇伝をおかみさんに披露してくるかぁ」とご機嫌で飲み屋へ行ってしまったので、店内にはジ...
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