2024年2月– date –
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小説
宵闇の魔法使いと薄明の王女 4−9
散策した貴族街の風景を思い浮かべていたジルファリアはふと気になっていたことを口にした。「そういえばさ、マリア。お前はどうしてバスター家の屋敷にいたんだ?お前の家は王宮なんだろ?」 ぴくりとラバードが反応するが、きっと詮索している事に対... -
小説
宵闇の魔法使いと薄明の王女 4−8
「それにしても、まさかオレにも魔法が使えたなんてなー」 時計塔から職人街の表通りへ向かう道すがら、ジルファリアは思い出したように感嘆のため息を吐いた。その様子はとても嬉しそうな表情で、今にも飛び上がらんばかりの勢いだ。「おれはそれ、見... -
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宵闇の魔法使いと薄明の王女 4−7
「何でおやじがここにいるんや?」 目覚めて開口一番にサツキがそう叫ぶ。 黒頭巾を縛り上げた後、ラバードにしては機敏な動きでマリスディアとジルファリアに即席の傷薬を渡し、失神していたサツキには気付け薬を飲ませたのである。それが苦かったの... -
小説
宵闇の魔法使いと薄明の王女 4−6
黒い霧を纏った“それ”は、果たして人間だったのだろうか。 視界に入った印象は、“朽ちた枯れ木“であった。 黒いローブを身に纏い、異様に背が高く折れてしまいそうなくらい痩せている。頭からは同色の頭巾を被っていたため、顔が見えず不気味であった...
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