2023年11月– date –
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小説
宵闇の魔法使いと薄明の王女 3−1
三章;昼下がりの侵入者 +++ 「むー、ヒマだ。すごくヒマだぞ、サツキー」 カウンターに突っ伏しながらジルファリアがぼやいた。腰掛けををガッタンガッタンと鳴らしては足を忙しなく揺らす。 昼食を終えた昼下がり。今日も今日とてアドレから店... -
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宵闇の魔法使いと薄明の王女 2−5
「はぁ〜、食った食ったぁ」 どかりと軒先の椅子に腰掛けたラバードは満足そうに腹をさすった。「おっちゃんの地獄スープ、ほんとに不味かったなぁ」 その隣の椅子に腰掛けていたジルファリアがぼやいた。「こら、ジル。作ってもらった食事に不味いな... -
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宵闇の魔法使いと薄明の王女 2−4
+++ 「いたか?」「いや、こっちには居なかった!」「あちらを探せ!」 物々しい雰囲気で衛兵たちが目の前を横切っていく。屋敷の見張り兵だろうか、高級な作りの兵服に身を包んだ数人が足早に駆けていた。手には長い槍を持っている。 あんなもの... -
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宵闇の魔法使いと薄明の王女 2−3
「そういえば、マリスディアはここまでどうやって登ってきたんだ?」「え?」「だってどう見ても、大人三人分くらいの高さがあるだろ?梯子もなさそうだし、どうやってここまで来たのかなって」「あ……、その」「あ!そうか、召使いみたいなのがここまで... -
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宵闇の魔法使いと薄明の王女 2−2
「おーい!」 気がつけばジルファリアは声を上げて彼女に手を振っていた。「そこで何してんだー?」 そこまで叫んではたと口を塞ぐ。このような閑静な場所だと、自分の声が思った以上に響き渡っていることに気が付いたのだ。「これじゃ不審者じゃん」...
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